ボールルーム・ダンスにおいては、ライズ&フォール(Rise and Fall)は基本的かつ不可欠なテクニックであるが、ライズに関しては色々な分類方法がある。

以下にそれらの分類を整理した。

1.ライズに使う体の部位による分類

(1)ISTDボールルーム・ダンス・テクニック

1)フット・ライズ
2)ボディ・ライズ

ISTDボールルーム・ダンス・テクニック参照

現代では、膝を屈伸することによるレッグ・ロアーおよびレッグ・ライズが必須のテクニックとなっている。そのため、ISTDのテクニックブックのライズ&フォールに「足、脚、及びボディを通して行われる上下運動である。」と定義されていることをもって、このライズ&フォールにはレッグ・ロワーおよびレッグ・ライズが含まれていると勘違いする方がおられるかもしれない。しかし、そうであれば、たとえば、ワルツのフィガーのステップ1は「1でロアーを始め、1の終わりでライズを始める」と書いていなければならない。またこのテクニックブックをまとめたISTDの技術委員会の長だったアレックス・ムーアの著書のライズ&フォールにはレッグ・ライズが含まれていないこともレッグ・ロアーやレッグ・ライズが含まれていないことの傍証となる。

(2)WDSFテクニックブック

1)レッグ・ライズ
2)フット・ライズ
3)ボディ・ライズ

WDSFテクニックブック参照

2.ライズのタイミングのタイプによる分類

(1)ISTDフェロー/試験官のブログより

1)クイック・ライズ
2)3ステップ・ライズ
3)4ステップ・ライズ
4)アップからスタートするフィガー
5)レイト・ライズ
6)ノー・ライズ
7)ボディ・ライズ
8)ヒール・ターン・タイプのライズ

ライズ・タイミングによるライズの分類参照

3.ライズを起こすエネルギーによる分類

(1)ビル&ボビー・アービンのダンステクニック参照

1)スイング・ライズ (ボディのスイング運動の慣性を利用してライズ)
2)プレッシャー・ライズ(フットでフロアを押すことによるライズ)
3)ボディ・ライズ (これについては説明すると長くなりますので省略)

雑学

Rise andFall というのは、英語の慣用句であり、上下動を意味する。

しかしRise and Lower という言い方は慣用句には存在しない。

ではなぜLower の代わりにFall を使わないのか?

それはFallという言葉は「ゆっくり降下する」のではなくて、「落ちる」、「倒れ込む」、「急降下する」といった意味なので、ダンスのムーブメントにはふさわしくないからである。

Fall

1. If someone or something falls, they move quickly downwards onto or towards the ground.

 

出所:Collins Cobuild Learner’s Dictionary