解説

Swing Side Stepについて
 
ISTDのテクニックブックの「足の位置」では、たとえば、ナチュラル・スピンターンの男子2歩目の「足の位置」などで「左足 横へ」と書いているところがあります。
 
この意味は、スタートするときは前進し、ボディの回転につれてボディの横に開いていくという意味ですが、そんなことは教師試験を目指すダンサーにとってはそれまでにレッスンしてもらったことなので当たり前すぎるというように考えたのか、「最初に前進する」という指示を省略してしまっています。しかし、この点についてIDTAとWDSFの教本では、「左足 横へ」が初心者にとっても混乱を招かないように、どう解釈すべきか正確に説明しています。
 

Before Foot Positionについて

「ビフォア・フット・ポジション」という英語としても理解し難い、かつ聞き慣れない用語が説明されています。教本の他の章の説明も頭に入れておかないと理解しにくい説明なので、いくつか注釈を入れました。

特に理解しておくべき概念の一つは、フットの支持基底面です。この支持基底面から重心が外れた状態では、重力の影響により、人間は外れた方向に倒れ込んでいってしまいます。英語ではこのことをOverbalance(オーバーバランス)の状態にあるといいます。

もう一つの概念は、文中にでてくる、Dynamic Balance(ダイナミック・)です。その典型的な例は、フィギュア・スケートで円を描いているときです。この場合オーバーバランスの状態なのですが、重力の影響を、慣性力である遠心力が打ち消し合っているので倒れずにバランスを保っています。この状態はダイナミック・バランスを保っていますが、動きを停止したときすぐに倒れてしまいます。このように動いている間だけバランスを保っていることをダイナミック・バランスを保っていると言います。

 

本文対訳

Swing Side Step
 
All the Swing Side Step will be forward and finishing to side, however in the charts they are describe as Side Step only.
・サイド・ステップ」はすべて、前進し、それから横に踏み出して終了していくが、しかし、チャートには、単に「サイド・ステップ」のみが記述される。
 
The typical example of a Swing Side Step is the step 2 of a Natural Turn for a Man.
「スイング・サイド・ステップ」の典型的な例は、男子のナチュラル・ターンのステップ2である。
 
In this specific case in DanceSport technique is important to consider also the principle of the “Before Foot Position”.
ダンス・スポーツのテクニックの中のこの特別な場合においては、「ビフォー・フット・ポジション」の原則も重要である。

 

Before Foot Position
 
One of the most important aspects for a dancer is control of movement.
ダンサーにとってもっとも重要な側面の一つは、ムーブメントのコントロールである。
 
The effect of the muscular thrust and weight shift of the body in the direction of the movement (F1) causes enormous propulsion that must, at a certain point of the action, be controlled.
その(tama注:つまりサポーティング・レッグの)筋肉がボディを押し出す力、および、運動方向(F1)への体重移動が、大きな推進力を発生するが、それを特定のアクションポイントでコントロールする必要がある。
(tama注)
ここで「運動方向(F1)への体重移動」というのは、重心がそのサポーティング・フットの支持基底面(フロアとの接触面)から外れた結果、重心にかかっている重力の水平によってボディがその外れた方向に倒れかける現象を指している。
 
In order to explain dynamic balance efficiently, we need to introduce the “Before Foot Position”: a position in which the weight of the body is situated half way between the “Centre Balance Position” and the moving foot.
動的バランスをうまく説明するために、「ビフォア・フット・ポジション」という用語を導入する必要がある。これは、重心が「Centre Balance Position(中間バランス)」とムービング・フットの中間に置かれたときの位置のことである。
(tama注)
通常、サポーティング・フットとムービング・フットは、かならず中間バランスでの両足がサポーティング・フットの役割を果たす短い区間を挟んで、その前後で役割を交代する。上記の説明で、重心が「ビフォア・フット・ポジション」の位置に達したときは、中間バランスの時点を過ぎている。したがって、それまでムービング・フットだったフットはすでにあたらしくサポーティング・フットの枠割を担っていることに注意すること。
 
Once the Before Foot Position has been reached, the muscles of the moving leg, appropriately employed, can help to control the thrusting action.
「ビフォア・フット・ポジション」に到達すると、今度はそのムービング・フット(tama注:新しいサポーティング・フットのこと)の筋肉が適切に使用され、押出動作をコントロールすることに役立つ。
 
The thrusting force of the moving leg (F2), added to the force of the dancer’s weight (Fp) creates a resulting force (FR) which will have an opposite direction to the thrusting force (F1).
ダンサーの重力(Fp)とそのムービング・フット(tama注:新しいサポーティング・フットのこと)の推力(F2)が加算されて、推力(F1)と反対の方向を持つ結果の力(FR)の合力となる。
 
Thus the two forces in play will tend to cancel each other out, producing a controlling action 2.
したがって、演じている2つの力は互いに打ち消し合う傾向となり、コントロールするアクション2を作り出す。