ISTDは、ボールルームダンス・テクニックの標準化という大変なタスクを、1924年に完了したのですが、そのときの標準化委員会のリーダーシップを取ったのが当時の世界チャンピオンだったビクター・シルベスターでした。その標準化されたテクニックが現在のインターナショナル・ボールルームダンスのテクニックの元になっています。

ここまでは、前置きですが、そのビクター・シルベスターの著書の Theory and Technique of Ballroom Dancing 第6版(1936年)のライズ&フォールの説明の一部を抜書きしました。

このNOTE(注)で最重要事項として記載されているのは、日本語に訳せば、以下のようになります。

NOTE. It is most important to remember that every rise and fall occurs at the end of a step which means as the next step is taken. One should not rise up suddenly and then take the next step; one should rise as the next step is taken. The same thing applies when you lower.
すべてのライズ&フォールが「ステップの終わりでおこる」というのは「その次のステップを行いながら行う」という意味である。ダンサーは、急激にライズ・アップして、それから次のステップを行うべきではない; 次のステップを行いながらライズすべきである。同じことはロアーするときにも適用される。

つまり、ボルテクで「1の終わりでライズ」とか「3の終わりでロアー」と書かれていれば、それは「ステップ2を踏み出すと同時にライズする」とか「ステップ4を踏み出すと同時にロアーする」という意味です。なおこの Rise とか Lower という英単語には、ライズを完了する」とか「ロアーを完了する」という意味は含まれていませんのでご注意を。

ちなみにこの結論は、ビクター・シルベスターらが決めたからではなく、本来 at the end of という英語が持つ意味そのものによるものです。以下を参照ください。

つまりこのことはWDSFなどの教本の和訳版でもまったく同じように解釈しなければなりません。

http://dancepedia.info/top/terminology/terminology-by-english/at-the-end/