検討結果
WDSFのフット・プレースメントは一つのステップが、以下のようにフェーズ1とフェーズ2に分かれ、フェーズ2をリカバリー・フェーズとも言います。
Phase | Contents |
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Phase1 | Up to and including Centre of Balance Centre of Balance に達するまでの Foot Placement の前半 |
Phase2 | After Centre of Balance until Recovery. Centre of Balance よりも後の Foot Placement の後半。最後に Recovery が完了するまで |
主要な3つのリカバリー・フェーズの定義は以下のとおりです。
# | Recovery Phase | Contents |
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1 | Recovery Body | The body moves fully over the standing leg; the moving leg is not fully recovered ボディをスタンディング・レッグを十分におおう位置まで動かす;ムービング・レッグはまだ完全には元の位置に戻っていない |
2 | Recovery Foot | The body moves fully over the standing leg; the moving leg is fully recovered under the body ボディをスタンディング・レッグを十分におおう位置まで動かす;ムービング・レッグはボディの下まで戻す |
3 | Weight on Foot | A full weight transferral is made but the body does not always move over the standing leg 全体重移転がなされているが、ボディがスタンディング・レッグをおおう位置まで常に動いているとは限らない |
しかし、この定義だけでは、抽象的で、若干不明確です。そのため、これらの3つのリカバリー・フェーズ を使用しているステップを抽出し、それらのリカバリー・フェーズがどのように使い分けられているか分析しました。結果は以下のとおりです。
なお、両足をクローズする場合は、RF closes to LFというようにCloseという言葉が使われていますが、使われるのは各ステップのフェーズ1でのみです。各ステップのフェーズ2ではCloseという指示は一切使われていません。
Recover Body が使われる場合
Case # | Foot Placement | Foot Action | Figure / Step |
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1 | フェーズ2の終わりで、ボディは十分にサポーティング・フット上まで移動してステップが完了する。ムービング・フットはボディに遅れてサポーティング・フットの方向に移動していくが、サポーティング・フット上までは戻っていない。そのムービング・フットはその続行ステップのフェーズ1で、サポーティング・フットに揃えられる。 (注1) ワルツでは続行ステップのフェーズ2では、Weight on Footが来ることが多いが、その理由は、クローズした場合、その続行ステップではボディの位置を変えずに(Stationary Step)、その場で左右の足を踏み変えるからだと思われる。 (注2) フォックストロットでは、Change of Direction や Whisk の Step 2のように移動しないステップ((Stationary Step)の他は Recover Body は使われない | ■ ワルツ - Natural Turn (Step 2, Step 5) - Chasse from PP (Step 2) ■ タンゴ - Closed Promenade (Step 3) - Back Corte (Step 3) |
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2 | フェーズ2の終わりで、ボディは十分にサポーティング・フット上まで移動してステップが完了する。ムービング・フットはボディに遅れてサポーティング・フットの方向に移動していくが、サポーティング・フット上までは戻っていない。そのムービング・フットはその続行ステップのフェーズ1で、サポーティング・フットの横を通過して交差する。 | ■ ワルツ - Whisk (Step 2) ■ タンゴ - Basic Reverse Turn (Step 2) |
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3 | フェーズ2の終わりで、ボディは十分にサポーティング・フット上まで移動してステップが完了する。ムービング・フットはボディに遅れてサポーティング・フットに近寄るが、両足はクローズせずに更にボディとムービング・フットが別の方向に移動していく。 (注) この場合、続行ステップのフェーズ2ではWeight on Footがくることが多い。その理由は、フェーズ1が完了した場合、その続行ステップでは、ボディの位置を変えずに(Stationary step)その場で足を踏み変えるからだと思われる。。 | ■ ワルツ - Natural Spin Turn (Step 5) |
Recover Foot が使われる場合
Case # | Foot Placement | Foot Action | Figure/Step |
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1 | フェーズ2の終わりで、ムービング・フットはサポーティング・フットに引き寄せられ両足が揃ったタイミングでステップが完了する。 しかしRecover Footと書かれているケースでは、例外なく、ムービング・フットは両足が揃ったタイミングで止まることなく、そのまま、続行ステップのムービング・フットとして移動していく。 この場合、続行ステップのフェーズ2では、Weight on Footが来ることが多いが、その理由は、クローズした場合、その続行ステップではボディの位置を変えずに(Stationary Step)、その場で左右の足を踏み変えるからだと思われる。 | ■ ワルツ - Natural Turn (Step 1) ■ タンゴ - Closed Promenade (Step 1) ■ スロー Feather Step (Step 1) |
Weight on Foot が使われる場合
Weight on Foot の場合、上記の Weight on Foot の定義からすると、WDSFは以下の2種類のWeight on Foot があると考えていることがわかります
(A) The body moves over the standing leg.
(B) The body does not over the standing leg.
そのため、Phase 1 が共通するステップを分類し、さらにその中で、Weight on Foot における両足の相対関係およびFoot Actionによってさらに分類しました。結果は以下の通りです。
Item # | Foot Placement | Foot Action | Figure/Step |
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1 | Foot closes to Another Foot | TH | ■ワルツ - Closed Change (Step 3) - Natural Turn (Step 3, Step 6) - Reverse Turn (Step 3, Step 6) - Natural Spin Turn (Step 3) |
Weight on Foot (足を閉じた状態) |
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2 | Foot closes to Another Foot | T | ■ワルツ - Progressive Chasse to Right (Step 3) - Chasse from PP (Step 3) |
Weight on Foot (足を閉じた状態) |
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3 | Foot crosses behind Another Foot | TH | ■ワルツ - Whisk (Step 3) - Back Whisk (Step 3) ■フォックストロット - Whisk (Step 3) - Back Whisk (Step 3) ■タンゴ - Whisk (Step 3) - Back Whisk (Step 3) |
Weight on Foot (足を交差した状態) |
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4 | Foot crosses in front of Another Foot | T | ■ワルツ - BACKWARD LOCK (Step 3) - NATURAL TURNING LOCK (Step 2) - NATURAL TURNING LOCK (Step 2) |
Weight on Foot (足を交差した状態) |
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5 | Foot closes to Another Foot w/o weight (Toe Pivot) | TH | ■ワルツ - DOUBLE REVERSE SPIN (Step 3) ■フォックストロット - DOUBLE REVERSE SPIN (Step 3) |
Weight on Foot (足を交差した状態) |
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6 | Foot closes to Another Foot (Heel Turn) | HB | ■ワルツ - IMPETUS (Step 2) - IMPETUS to PP (Step 2) ■フォックストロット - IMPETUS (Step 2) - IMPETUS to PP (Step 2) |
Weight on Foot (足を閉じた状態) |
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7 | Foot closes to Another Foot w/o weight | I/E of T (LF) Flat F (RF) | ■ワルツ - DRAG HESITATION (Step 3) |
Weight on Foot (足を閉じた状態) |
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8 | Foot closes to Another Foot w/o weight | I/E of T | ■フォックストロット - CHANGE OF DIRECTION (Step 3) |
Weight on Foot (足を閉じた状態) |
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9 | Foot closes to Another Foot slightly bwd | Whole F | ■タンゴ - CLOSED PROMENADE (Step 4) - BACK CORTE (Step 4) - BASIC REVERSE TURN (Step 6) - OPEN REVERSE TURN (Step 6) |
Weight on Foot (足を閉じた状態) |
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10 | Foot crosses in front of Another Foot | Whole F | ■タンゴ - BASIC REVERSE TURN (Step 3) |
Weight on Foot (足を交差した状態) |
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11 | Foot closes to Another Foot slightly bwd | BH | ■タンゴ - FOUR STEP (Step 4) |
Weight on Foot (足を閉じた状態) |
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12 | Foot placed to side w/o weight | I/E of B | ■タンゴ - FIVE STEP (Step 5) |
Weight on Foot (足を横に置いた状態) |
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13 | LF fwd in CBMP (R knee flexed) | H | ■ワルツ - Contra Check (Step 1) ■タンゴ - Contra Check (Step 1) |
Weight on both feet (Check Position) (両足を開いた状態) |
この結果で見ると、(1)両足を揃えてその Weight on Step を終える、(2)両足を交差してその Weight on Step を終える、(3)両足を開いてその Weight on Step を終える、の3種類に分類されます。この内(3)が (B) に相当すると考えていいと思われます。たとえばコントラ・チェックの Weight on both Feet などは明確に (B) に分類できます。
備忘的メモ
なお、 PROGRESSIVE CHASSE TO RIGHTの Step 3 や、CHASSE FROM PP の Step 3 のように(1)に分類されるステップであっても WDSFが(B) に分類している可能性がないわけではありません。なぜなら、 これらはTravelling Step (ボディが移動を継続している Step )であるために、 Weight on Footで両足が揃っている状態であっても (A) ⇒ (B) と移行していくからです。ただ、これはあくまでこの文章だけからの表現上の可能性であって、他の個所でそれを裏付ける文章が見つからなければ、単なる仮説にとどまります。