解説

ISTDのボールルームダンステクニックでは、ボディライズのほかは、フットライズ、フットロアー、NFR(ノー・フット・ライズ)の3種類しかない。
 
それに対して、WDSFのテクニカル・ブックでは、より明確に、フット、レッグ、ボディのそれぞれで行うライズないしフォールの合計6種類に分けている。
 
チャートでは各ステップについて、どの部分のライズないしフォールを使うのかが単独ないし組み合わせで指定されている。
 
理解のためのポイント
    •  ライズとロアーの両方で「ふくらはぎの筋肉にトーンを持たせる」という指定がなされているが、この目的はトーンの意味、発生の仕組み、および必要性などで説明しているように、筋肉にトーンを持たせる(=筋肉に弾性をもたせる)ことにより、ロアーのときに圧縮された筋肉にエネルギーを貯め、ライズのときにはその貯められたエネルギーを利用して筋肉を伸長させ、効率的にライズすることを可能とするためである。
    •  ISTDのボールルームダンステクニックで、しばしば「1の終わりでライズを始める」と指定されている個所があるが、この意味はFoot Actionの中のFoot Roll Principlesで説明されているように、ステップ1の終わりでスタンディング・レッグによるレッグ・ライズを開始し、次のステップのほぼ始めの時点でフット・ライズをするという意味とのこと。

 

原文対訳

Rise and Fall
 
Rise and Fall describes the change of height produced by the dancer during the execution of steps and figures.
Rise and Fall はステップやフィガーを実行するなかで、ダンサーによって生み出される高さの変化を表している。
 
Three parts of the body can be used to generate rise: the Foot, the Leg and the trunk (Body). Each of these types of Rise and Fall are described in table 9.a below.
ボディの3つの部分を、ライズを発生させるために使用することができる、すなわち、足、脚、そして体幹(ボディ)である。Rise and Fallの3つのタイプのそれぞれについて下の表9.aに記載している。

 

Foot Rise

– The ankle extends 
  くるぶしを伸ばす

– The heel is lifted off the floor 
  ヒールを床から離す

– The calf muscle is toned
  ふくらはぎの筋肉にトーンを持たせる

Fall

– The ankle flexes 
  くるぶしを一時的に曲げる

– The heel is lowered to the floor 
  ヒールを床につける

– The calf muscle is toned 
  ふくらはぎの筋肉にトーンを持たせる

Leg Rise – The knee of the standing leg extends 
  スタンディング・レッグの膝を伸ばす
Fall – The knee of the standing leg flexes 
  スタンディング・レッグの膝を曲げる
Body Rise – Extra stretch (in relation to the normal position) 
  追加のストレッチをする(通常のポジションに比較して)
Fall – There is no real lowering of the body 
  ボディの実体的なロアーはしない
 
 
Foot Rise:
 
During Foot Rise, the body weight passes from the centre of the foot towards the Ball or the Toe of the foot and consequently the Heel leaves the floor, either gradually or suddenly. Anatomically, there will be an extension of the ankle and an increase of muscle tone in the calf. Contrarily, when the foot is lowered, the heel will return to the floor through a constant controlling action of the calf muscles.
Foot Riseの間に、体重は、その足の中央からその足のボールまたはトウへ向かって移動し、その結果として、ヒールは、徐々に、あるいは急にフロアを離れる。解剖学的には、くるぶしの伸長とふくらはぎの筋肉のトーンの増加が起こる。それと逆に、足のロアーのときは、ヒールは、ふくらはぎの筋肉を継続的にコントロールしながら、再びフロアに接する。
 
Leg Rise:
 
Leg Rise is caused by the straightening (extending) of the knee (without locking back), in relation to a neutral position. The lowering of the leg will instead be due to the flexion of the knee of the standing leg.
Leg Riseは、膝を自然な位置に比較して(ロッキング・バックなしに)まっすぐにする(伸長させる)ことにより行われる。レッグのロアーは、それに代えてスタンディング・レッグの膝を一時的に曲げることによる。
 
tama注:
locking backという英語にぴったり当てはまる日本語はない。
ルンバでサポーティング・フットに体重を移した時、サポーティング・フットの膝がまっすぐよりさらにわずか後ろに行き、それ以上行かなくなった状態を言う。この状態をニー・バックということもあるが、これは和製英語と思われる。
 
Body Rise:
 
Body Rise is achieved through an extra elevation of the upper part of the trunk. This action is typically used when the dancer extends to a maximum rise or when one of the partners does not use Foot Rise (e.g. Step 1 of Natural Turn for Lady). Because the trunk of a dancer is always slightly stretched to maintain the basic posture (see Posture), there is no real Body Lowering, but after any Body Rise, the body returns to its normal starting position.
ボディ・ライズは体幹の上部の追加の上昇を通じて達成される。このアクションは、ダンサーが最高点までライズするとき、あるいはパートナーの一方がフット・ライズを使わない時(たとえば女子のナチュラル・ターンの第1ステップの時)に主として使用される。体幹はベーシック・ポスチャー(Postureを参照)を保つためにいつも少しストレッチされるため、実体的なボディのロアーはないが、ボディ・ライズの後でボディは通常の開始時のポジションに戻る、
 
Rise and Fall, when performed correctly, enhances the character of each dance.
正しく行われた場合ライズ・アンド・フォールはそれぞれのダンスの特徴を強調する。
 
Even though the above three actions are usually coordinated and combined actions, they can also be used completely independently from each other.
通常、上記の3つのアクションは協調した組み合わせアクションとなるが、それらはそれぞれ完全に独立して用いることも可能である。
 
In the charts, therefore, each Rise or Fall is followed by one or more words in brackets indicating which parts of the body are performing the action.
したがって、チャート中では、ライズ・アンド・フォールは、カッコで囲まれた、ボディのどの部分がアクションを行うかを示す1ないしそれ以上の言葉が後に続く。