まずは、以下の2つの動画のナチュラル・スピンターンを見てください。
 
ミルコ&アレッシアのワルツ
 
アルナス&カチューシャのワルツ

 

ゆったりしたいかにもワルツらしいタイミングとスイング感にあふれたムーブメントで、こんな優雅な動きで踊れたらいいのですが、私には高嶺の花(泣)。

それはどうでもいいのですが、彼らがボルテク通りに踊っていないところがあります。

それは、この中のナチュラル・スピン・ターンの男子4歩目左足後退でピボットをするところです。

ボールルームテクニックでは、ワルツのナチュラル・スピン・ターンの男子4歩目で左足後退をするわけですが、左足を置く位置は、左足後退(トーを内側に向けて)になっていますが、かれらはいずれも、後退する左足を「後ろ少し横へ」置いています。

しかし、実は、2012年にWDSFが満を持して出版したテクニックブックでは、後退する左足の置く位置は、「後ろ少し横」と指示されているのです。

なぜこのようになったかというと、、このピボット・ターンは、1歩だけで男性内回り女性が外回りで、2分の1回転をする必要があることが理由だと思います。

ボルテクの指示通り、男性が「LODに背面して左足後退」し、ピボット・ターンで2分の1回転をし、同時に女性がピボッティング・ターンで男性の周りを2分の1回転をするのはできなくはないのですが、女性の場合、一般的に男性より歩幅が小さいので、大抵の場合、回転が不十分になるか、男性がスイング運動をせずほんのわずかだけ後退してすぐにピボットターンをするので、音楽より早くなってしまうという結果に陥ります。

これは女性の場合、一般的に男性より歩幅が小さいので、なりゆきからすれば当然のことです。というより、このボルテクの指示が不自然です。

私が、「不自然」と評しているわけではありません。

ボルテクのチャートを忠実に足型図に再現し、ボルテクの実質的な執筆者の一人だったエリザベス・ロメインさんが監修した、Dan-Navi (1998年初版)という本があります。
 
その本のページには、ボルテク通りの「左足後退(トーを内側に向けて)」を示した図と、その横に参考として「後退する左足を「後ろ少し横へ」置く図も、「Natural Step Pattern (より自然な足の動き方」として示されているのです。
 
 
 
さらに最初に引用したアルナス&カチューシャ組とミルコ&アレッシア組のワルツのナチュラル・スピン・ターンを分解画像化したものがあります。
 
 
撮影角度の関係で、ミルコ&アレッシア組のナチュラル・スピン・ターンのほうがわかりやすいと思いますが、明らかにアレッシアの4歩目の前進方向より外れて、ミルコの後退4歩目の左足の置く位置が、「後ろ少し横」になっているのがわかると思います。
 
また1990年ごろの全英選手権(UK OPENかも)のファイナルで当時のチャンピオンたちが踊ったワルツでも、その「より自然な足の動き方」で踊っています。
 
なぜ、こんな重要な点を、いままでISTDがボルテクに反映しなかったのかわかりませんが、まあいいでしょう。
 
より自然なナチュラル・スピン・ターンを踊るために参考になればと思います。