解説

ボールルーム・ダンスを教えてもらうときに、しばしば言われるのが「まっすぐに立て」ということです。

では「まっすぐに立て」というのはどういうふうに立つということなのでしょうか。

しばしば初心者対象のレッスンで、「壁に背面して立ち、後頭部、背中、お尻を壁につける(その他いろいろな言い方がされると思いますが)。」と言われることがありますが、あまりにも大雑把すぎます。

いろいろなダンス関連の書籍で、立ち方を写真付きで説明していますが、その中で最も優れた説明をしている「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」の該当ページをまず紹介しておきます。

これを注意深く何度も読みさえすれば、ほとんど「まっすぐに立つ」ということがどういうことを意味しているのか理解できると思います。

IL03 第1章 まっすぐ立ちましょう

IL04 第1章「まっすぐ立ちましょう」を更に詳しく

なお蛇足は承知の上で以下のことを付け加えます。

人間の体型は男子と女子でも異なりますし、肥満度によっても異なります。

厳密に考えたいのならば、体型でなくて、下図のように、中耳から鉛直線を下ろして行き、肩関節の中心、股関節の中心、膝関節の中心、足首関節の中心を通るように位置を調整し、その上で、重心を骨盤内部のいわゆる丹田あたりを通過させるよう姿勢になるよう傾きを調整した立ち方ということになるかと思います。この姿勢を取ることによって、体重の殆どを骨格で支えることが出来ます。

ただそこれはあくまで解剖学的な「まっすぐな立ち方」ということであって、ボールルームダンスにおいては、上記の書籍の写真のようにわずかながら前傾姿勢をとることで、重心をボールで支えるようにするということは言うまでもありません。