ヘッドウェイトの統計データ
人間の頭頸部の重量だけを測定することは、特に生体においては物理的に困難なため、それに関するデータは、なかなか見当たりません。
体重の約8%とか11分の1とか、約8分の1とか色々あり、調査した性別、年齢、人種などが明示されていなかったので、どれだけ日本人に適用できるものかはわかりません。
そのうちの一つで、かなり以前に見つけた文献の内容ですが、出所を控えておかなかったため、メモだけを以下に記載します。
分類 | 平均体重 | 平均身長 | 平均頭頸部重量/体重比(%) |
---|---|---|---|
日本人男性(18歳以上) | 64.1kg | 166.6cm | 10.60% |
日本人女性(18歳以上) | 54.0kg | 154.1cm | 10.80% |
体重の約8分の1とは当たらずとも遠からずというところでしょう。
それはさておき、このデータから頭頸部の重量を計算すると以下のようになります。
64.1kg×10.6%=6.7946kg
こう書いてもピンとこないかもしれません。
これとよく似た重さと形のものがあります。それはボウリングのボールです。
上記の重さは、ポンドに直すと以下の通りになり、15ポンドのボウリングのボールに相当します。
約14.98ポンド
ボウリングをされた方なら15ポンドのボールがどのくらいの重さかわかると思います。
私には、15ポンドボールを投げようと思ってもすっぽ抜けてしまって、投げられません(汗)。
ヘッドウェイトがダンスに与える影響
強靭な首の筋肉に支えられているために、日ごろわれわれは気がつかないかもしれませんが、これだけの重さを脊椎の上に載せています。そのため、たとえば前進するとき、首を脊椎の真上から1センチ前に出しただけで、その重さに引きずられて、正しい踊りができません。
回転するステップの時はさらに遠心力が加わるため、大変な影響を受けます。
ワルツのテンポを1分間30小節3拍子(90拍)とすると、ナチュラルスピンターンの4歩目から5歩目で1拍で2分の1回転するステップでは、下記の計算式を使って遠心力の増減を計算すると、頭の位置を1センチ外にずらしただけで、遠心力が約160g増加することになります。
計算式 記入予定
このヘッドウェイトの使い方について、最近英国で出版されたダンスの教本でとりあげられていますが、その素晴らしい実例を紹介します。
下記の動画がそうです。
6:10あたりでミルコ・ゴッゾーリは、その本の著者のジェフリー・ハーンのインタビューに答えて、彼らが、ダンスのキャリアの過程において、ダンスに対して、そのダンスそれぞれにリズム、キャラクター、そして音楽性を与えるようなヘッドウェイトの使い方を研究し、練習してきたと言っています。
※ 当初の動画が削除されたためこの部分はなくなっています。)