解説
ビクター・シルベスター等がISTDの依頼によるイングリッシュ・スタイルのボールルームダンスの標準化が完了したのは1927年と言われている。このころのライズ&フォールはフットによるものだけであり、膝の屈伸による Leg Rise & Fall、No Foot Rise、Body Rise というテクニックは一部では取り入れ始めていたかもしれないが、テクニックとしては意識されていなかったと思われる。また、日本に初めてイングリッシュ・スタイルのボールルーム・ダンスを教えたというレン・スクリブナーが著した The Complete Ballroom Dancer (1969年第2版)のライズ&フォールの章においてさえも、膝はフット・ライズを行う前にリラックスさせておくことによりライズの高さを広げるのを助ける役目を担っているだけであり、またフット・ロアーをする際は、なめらかにロアーするための緩衝役としての役目が与えられているのみである。
1932年 Theory and Technique of Ballroom Dancing by Victor Silvester 初版
この版では、Rise and Fall の用語は使われていない。
1936年 Theory and Technique of Ballroom Dancing by Victor Silvester 第6版
この版では、Rise and Fall が記載されているが、Foot の BallによるRise and Fall だけである。したがって、No Foot RiseもBody Rise というアクションが取り入れ始めていたかもしれないが、テクニックとしては意識されていなかったと思われる。
ここで、NOTE. It is most important to remember(記憶すべき最も重要なこと)として以下を強調していることに注意。
Every rise and fall occurs at the end of a step which means as the next step is taken.
すべてのライズとフォールがあるステップの終わりで起こるということはその次のステップを踏みながら起こるという意味である
1936年 Theory and Technique of Ballroom Dancing by Victor Silvester 第6版
Rise and Fall が出てくる。ただし、Foot Rise