ピボットおよびピボッティング・アクションという技術は、誰でも踊るワルツのナチュラル・スピンターンで使われることでもわかるように大変基本的な技術です。
しかし私の持っているアレックス・ムーア著のボールルームダンス・テクニックのテキストにはその定義はありません。
ちなみに、アレックス・ムーア教室の教頭を30年余務め、アレックス・ムーア著作のモダン・ラテンの実務的ライターだったエリザベス・ロメイン氏が監修した「ダンナビ」という本の中では以下のように定義されています。
Pivot(ピボット)
A turn on the ball of foot, the other foot being kept in front or behind in CBMP
(一方の足のボールを軸に回転する動作で、この時、もう一方の足は前方または後方にCBMPに保って行う)
Pivoting Action(ピボッティング・アクション)
Action without keeping CBMP in the case of above
(上記でCBMPに保たないで行われる動作)
しかし、ピボットについてはなんとなくわかりますが、ピボッティング・アクションについては、「CBMPに保たないで行われる動作」と否定形で説明されても、どうすればピボッティング・アクションになるのかさっぱりわかりません。
そこで、海外のボールルームダンスサイトの定義を調べてみました。
その結果、それらの定義と説明を総合すると、以下のようになります。
- Pivot(ピボット)
サポーティング・フットのボールを軸に、重心をそのボール上に保ったまま回転する動作で、その間、もう一方の足は前方または後方にCBMPに保つ - Pivoting Action(ピボッティング・アクション)
右足で前進しながら右足のボールで右回転する動作で、重心がサポーティング・フットのボール上にとどまらず、離れて行きながら回転が行われる。この時相手の右足が自分の両足の間にステップするスペースが必要なので、自分の左足はCBMPを保たずサポーティングフットの周りを円を描くように動かす。
これでそれぞれの意味と違いが明確になりました。
なおダンスに限定しない一般的な文脈というか文法では、Pivoting Actionは、Pivot動作をその一部に含むアクションということになるのですが、調べたサイトの説明から、Pivot動作を含む前進動作なのでPivoting Actionと名付けられたのだと思います。
出所
(1) Ballroom Dance Teachers College
(2) Dance Sport UK