作成 2022/04/19

 

マーカス・ヒルトンMBE曰く

■ 最初に、タンゴは他のスイング・ダンスと別物と考えましょう。

■ スイング・ダンスで音楽を聴くように、タンゴでも音楽を聴きますが、タンゴでは脚部のタイミングを音楽に乗せます。タイミングは足で取り、それからボディを移動します。

■ スイング・ダンスではボディでタイミングを取ります。フォックストロットでもヴィーニーズワルツでもクイックステップでも脚部はボディにフォローし、ボディが音楽に乗って踊ります。

これらについては、全くそのとおりだと思います。

問題意識としては、以下の点です。

(A)なぜタンゴでは脚部でタイミングをとるのか?

(B)なぜスイングダンスではボディでタイミングをとるのか?

(C)ボディでタイミングをとるとはボディのどこをどのようにしてタイミングをとるのか?

(D)多くのステップでは着地点を音楽の拍点に合わせていると理解しても違和感はないが、それなら両足が着地したままで行うステップが含まれているスローアウェイ・オーバースウェイ、コントラ・チェック、(ハイホバーもそうだったかな?)には適用できない。

それぞれの問題についての私の現時点での仮説は以下のとおりです。

(a)(A)の理由は、ボディは重量があるために、ボディのムーブメントより脚部の動きのほうが、タンゴ曲の特徴であるシャープさや、スタッカートなどを表現しやすいから。

(b)(B)の理由は、ライズ&フォールやターンでボディ全体を大きく動かすムーブメントのほうが、スイングダンスに使われる曲を表現しやすいから。なお実際にもボルテクでは膝の屈伸によるライズアンドフォールは規定されていないが、WDSFのテクニックブックでは膝の屈伸によるライズアンドフォールで含まれるようになった。

(c)(C)については、ボディをなめらかにスイング運動させるためのフットワークに必要な力に密接に関連していると思われる。動画を観察すると、たとえば

T(トウ)のステップでは着地点のタイミングを音楽の拍点に合わせている。その理由としてはそのタイミングで足先に力を入れてボディを支える必要があるからと推測している。

HT(ヒール・トウ)の場合であればHTの中間あたりで合わせている。つまりボディをライズするために足に最も大きな力を加えるタイミングを拍点に合わせていると思われる。

(d)(D)については、着地している両足のどちらかの足の、先にフロアから離すほうの足をフロアから離す直前のタイミングを音楽の拍点に合わせている。つまり足に力を加えるタイミングを拍点に合わせていると思われる。