ボルテクでは、フォックストロットの場合
拍子記号=4/4
アクセントは第1ビートと第3ビート
Sカウント=2ビート
Qカウント=1ビート
のように記載されています。
WDSFのテクニックブックではもうすこし詳しく書かれていますが、いずれにせよ、その意味は、QのステップはSのステップの2分の1の時間で踊れということでしょう。
たとえば、フェザー・ステップのステップは以下のように分けられており、ステップ2とステップ3はステップの半分の時間で踊れということです。( )は、ボルテクのチャートにはステップの区切りが明確に書かれていないため、WDSFのテクニックブックをもとに私が付け加えた説明です。
ステップ1(S) 右足 前進
(両足を揃えたところから右足前進して両足が揃うところまでをSと仮定)
ステップ2(Q) 左足 左サイド・リーディングでOPの用意をして前進
(両足が揃ったところから左足前進して両足が揃うところまでをQと仮定)
ステップ3(Q) 右足 OPでCBMPに前進
(両足が揃ったところから右足前進して両足が揃うところまでをQと仮定)
ボルテクには一切足型図がありませんが、そこに書かれたフィガーをすべて足型図に落とし込んだDAN-NAVIという優れた書籍があります。このDAN-NAVIは、アレックス・ムーアMBEのダンス教室の副教頭として長年指導にあたり、英国の教師資格審査会の常任委員長なども努めたエリザベス・ロメイン女史の監修を受けたもので、大変信頼性のおけるものです。
その中のフェザー・ステップの足型図を以下に示しました。
これで見ればわかるように各ステップの歩幅はほぼ同じにした場合でも、ステップ1(S)だけをステップ2(Q)とステップ3(Q)の2倍の時間をかけてステップすればテクニックブックどおりに踊ることはできます。そのかわりボディの移動が早くなったり遅くなったりします。
では、競技会においては、どのように踊っているでしょうか。
そこで、何組かの元世界チャンピオンのフォックストロットのフェザー・ステップの動画とそこから分解画像にしてスライド化したものをご紹介します。不手際で連続画像の1枚あたりの時間が異なってしまったのでスライド枚数で表示しています。
これで各ステップのスライドの枚数を計算してみました。その結果でわかるように、必ずしも、QのステップはSのステップの2分の1の時間で踊ってはいないということです。言い換えれば、以下の仮定のところがおそらく間違っているということが実証されたわけです。
ステップ1(S) 右足 前進
(両足を揃えたところから右足前進して両足が揃うところまでをSと仮定)
ステップ2(Q) 左足 左サイド・リーディングでOPの用意をして前進
(両足が揃ったところから左足前進して両足が揃うところまでをQと仮定)
ステップ3(Q) 右足 OPでCBMPに前進
(両足が揃ったところから右足前進して両足が揃うところまでをQと仮定)
スライド Feather Step to Reverse Turn by Marcus and Karen Hilton
ステップ | タイミング | 開始スライド ー 終了スライド | スライド枚数 |
1 | S | 44 – 57 | 14 |
2 | Q | 58 – 72 | 15 |
3 | Q | 73 – 85 | 13 |
(2)ミルコ・ゴッゾーリ&アレッシア・ベティ組(2005-2008年 WDCチャンピオン)
https://www.youtube.com/watch?v=d6p46E1Zlss[/embedyt]
スライド 予備歩 → フェザー・ステップ → リバース・ターン(ミルコ&アレッシア組)
ステップ | タイミング | 開始スライド ー 終了スライド | スライド枚数 |
1 | S | 57 – 75 | 19 |
2 | Q | 76 – 99 | 24 |
3 | Q | 100 – 121 | 22 |
(3)アルナス・ビゾカス&カチューシャ・デミドヴァ組(2009-2018年 WDCチャンピオン)
スライド 予備歩 → フェザー・ステップ → スリー・ステップ(アルナス&カチューシャ組)
ステップ | タイミング | 開始スライド ー 終了スライド | スライド枚数 |
1 | S | 42 – 54 | 13 |
2 | Q | 55 – 66 | 12 |
3 | Q | 67 – 79 | 13 |