「ダンスは音楽を聴きながら踊るべきか?」というタイトル誤解を生みやすいかもしれません。
 
オーケストラの演奏にたとえてみれば、演奏を開始するときは合指揮者に合わせて演奏をスタートします。また踊り始めるときは音楽に合わせてスタートします。このような場合スタートするタイミングを指揮者なり音楽に合わせることは当然必要ですので、それらについてまで否定しているわけではありません。
また楽譜に速度記号が書かれている場合は演奏の途中で速度を遅くしたり元の速さに戻したりする必要がある場合は、自分だけが音楽から外れないように中止することも必要です。しかしずっと音楽のテンポに注意して踊らなければいけないのかについては、私が若干違う意見を持っています。
 
人間にはもって生まれたリズム感というものがあります。
 
心臓の鼓動のように不随意筋によるリズムは別として、たとえば散歩したり、走ったりする場合、全く意識していなくても一定のリズムで動くことができます。考え事をしていても、二宮金次郎(古いなぁ^^)みたいに本を読みながらでも一定のリズムで歩くことができます。
 
しかし、一定のリズムで声を出すのは、結構難しいはずです。
特に、他に気を取られると、まず無理でしょう。その理由は、声を出すのが意識的な行動だからなのです。
 
つまり、人間のもって生まれたリズム感を支えているのは意識ではなく無意識な体の動きです。
声を出してカウントするとか、音楽を聴きながら踊るということにいつまでも固執すると、肝心のリード・フォローがおろそかになりかねません。
 
社交ダンス初心者の方には、無意識に体を動かして、生まれてくる一定のリズムを、最初は音楽を注意深く聴き、音楽のもつ一定のリズムにすこしずつ同期(Synchronization、Bio-musicologyという学問ではEntrainmentとも言う)させていくことに慣れさせることが必要だと思います。いったん同期させれば、歩くのと同じで、自分の体の動きによって発生するリズムを無意識に維持して行くことができるはずです。そういう状態になれば、注意深く音楽を聴かなくても、聞こえてくる音楽と微妙にリズムが狂ってくると、不思議なことにすぐわかります。
 
 
 
Bio-musicology
こういった生体と音楽とのかかわりを研究しようとする学問の分野がBio-musicologyと言われるものです。
研究の対象は人間に限らず、鳥獣類、昆虫類なども含まれます。
 
興味のある方はWikipedia-Biomusicologyをご覧ください。

 

参考文献