解説
WDSFは2021年現在、審査システム Judging System 3.1 を採用しています。
この記事は、 その前のJudging System 2.0 に関する動画から取りました。
Judging System 2.0 の説明の要旨は以下のとおりです。
参考:2021年8月23日追加
<本システムのコンセプト>
- 審査の客観性を改善する
- 審査の透明性を改善する
- 審査に対して、メディアや一般人により良い理解をしてもらう
- アスリートやトレーナーに対する建設的なフィードバック
<評価方法の変更>
- これまでシステムでの相対評価(4コンポーネント)から、絶対評価(4コンポーネント)へ変更
- 4つのコンポーネントは、技術的パートのTQ(技術的品質)コンポーネント、MM(音楽に対するムーブメントの質)の2つと芸術性パートのPS(パートナーリング技術)コンポーネントと、CP(振付と表現)コンポーネントの2つである。
4つのコンポーネント
1. TQ Technical Quality (技術的品質)
- Posture and Poise
- Body Line, shape, design
- Hold or Holds
- Positions and transitions
- Balance
- Statics / Dynamic
- Individual /Couple
- Coordination of movement
- Actions: General, Style specific
- Dynamics: Flow, Weight, Time, Space
2. MM Movement to Music (音楽に対するムーブメントの質)
- Time
- Tempo
- Rhythmical structure
- Phrasing
- Timing
- Musicality
3. PS Partnering Skill (パートナーリング技術)
- Physical connection
- Communication without physical connection
- Appropriateness
- Effectiveness
- Consistency
4. CP Choreography and Presentation (振付と表現)
- Well balanced choreography
- Content
- Space
- Partnering
- Level of difficulty
- Atmosphere
- Creativity
- Expression
- Interpretation
<評価スケール>
- 各審査員は担当するコンポーネントに対して、以下のスケールで絶対評価する。ただし0.5刻みも許される。
そのコンポーネントを担当する3名の審査員のスケールの平均が、そのコンポーネントで獲得したポイントで、その合計がそのカップルのその種目のポイントになる。
合計の最大ポイントは40ポイントである。
Scale
10 Outstanding (抜きん出ている)
9 Superior (優秀)
8 Very Good (大変良い)
7 Good (良い)
6 Above Average (平均以上)
5 Average (平均的)
4 Fair (まあまあ)
3 Weak (弱々しい)
2 Poor (貧弱)
1 Very Poor (大変貧弱)
<各ラウンドへの適用>
- この絶対評価システムは、準々決勝、準決勝、決勝で採用される。
- スタンダード、ラテンは、それぞれの5種目のうち、各ラウンドの都度、ソロ種目としてランダムに3種目が選択され、残り2種目がグループ種目となる。ソロとグループの順序はたとえば以下のとおりとなる。
1 ソロダンス
2 ソロダンス
3 グループダンス
4 ソロダンス
5 グループダンス
- このような構成にしているゴールは以下のとおりである。
1 Make final shorter for spectators and TV
(観衆とTVのために最終戦をより短くする)
2 Group dances to show the fight between couples
(グループダンスでカップル同士の戦いをみせる)
3 Solo dances to have spectators and TV focus on one couple
(ソロダンスで観衆とTVに個々のカップルに焦点を合わせてもらう)
4 Use the same judging for solo and group dance
(ソロダンスとグループダンスに対して同じ審査方法を用いる)
<各コンポーネントへの審査員の割り当て方法>
- ソロダンス、グループダンスのそれぞれのコンポーネント一つに対して、3名の審査員がランダムに割り当てられる。計12名の審査員はソロダンスないしグループダンスが始まる数秒前まで、自分がどのコンポーネントの審査を担当するのかわからない。コンピュータが各審査員に対して指示を出す。
- Highest and lowest score awarded per Component count only 50% to the avarage → 意味不明
- このシステムは同時にフロアに上がっている6組ないし8組の審査に用いることができる。なぜなら、各審査員は同時にひとつのコンポーネントだけを審査するのであるが、準決勝では6組、準々決勝では8組を審査するだけであり、すなわち1つの組に対して15秒間審査できることになる。従って十分審査することが可能となると説明している。
<実際の審査の例>
この審査システムを適用したアマチュア競技会の動画、ワルツでの審査結果、最終審査結果を以下に紹介。
日本人のプロフェッショナルが、このシステムで審査されたら、何ポイントくらい取れるのか??
日本のダンス組織も離合集散を繰り返している場合じゃないと思いますが...
審査結果の例 (RANKは暫定順位)
総合1位カップルのワルツソロのコンポーネントごとのポイント

総合5位カップルのワルツソロのコンポーネントごとのポイント

総合順位
