この記事は、以前私がダンスの雑誌(ダンスファンかダンスビューのどちらかか覚えていませんが^^)に投稿したものです。ただし、現在は、引用した英国のダンスのホームページの記事自体がもうすこし整理されわかりやすくなっています。
 

雑誌投稿記事

ダンス関連の雑誌を読んでいると、「モダン」、「スタンダード」、「ラテン」などの呼び名について議論がされているのをときどき見かけます
それに関連して、英国のダンスのホームページDancesports UKの中のABC for Newcomers という欄に、What’s the difference between Ballroom Dance, Modern, Standard, International and Dancesport?(ボールルームダンス、モダン、スタンダード、インターナショナル、ダンススポーツの違いはなにか?)というなかなか興味深い記事が載っていました。
参考になるかと思い、和訳をして見ました。

 

What’s the difference between Ballroom Dance, Modern, Standard, International and Dancesport?

「ボールルームダンス」という言葉はもっとも一般的でかつもっとも昔から使用されていた用語で、、スローフォックストロット、、ヴィニーズワルツを表わすのにずっと用いられてきており、さらにしばしばラテンアメリカダンスすなわちチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレ、ジャイブを表わすのにも用いられた。またオールドタイムダンスやシーケンスダンスを示すのにも用いられた。
 
それで、オールドタイム、シーケンスあるいはラテンアメリカンダンスのことを言っているわけではないということを明確にするために、近年になって英国で「モダンボールルーム」(略してモダン)という言葉が導入された。
 
しかしヨーロッパでは「モダン」という言葉は、すでにまったく異なったタイプのダンス(たとえばジャズダンスあるいは違った形のソロダンス)を表現するのに頻繁に用いられており、そのためヨーロッパでは代わりにモダンボールルームを「スタンダード」と呼んだ。
 
しかしアメリカンスムースと呼ばれるアメリカ版の「スタンダード」ダンスがすでに存在していた米国では「スタンダード」という用語は意味が明確でなかった。そこで米国人は違いを明確にするために「インターナショナルスタンダード」という用語を導入した。
 
「ダンススポーツ」という用語は「スタンダード」と「ラテンアメリカン」スタイルの競技ダンスを指し、そこではカップルによるダンスが審判によって判定される。その目的は優勝を勝ち取るためである。ダンススポーツは三つの分野すなわちスタンダード、ラテンアメリカン、そして10ダンスで構成される。10ダンスはスタンダードとラテンの組み合わせであり、10ダンス競技会に参加するためにはスタンダード5種目、ラテン5種目を踊らなければならない。
 
一方では社交ダンスというものがあり、そこでは自分自身の楽しみのためそして人と交わるためダンスをする。そこではスタイルの違いはそれほど重要ではなく、そのため皆いまだに「ボールルームダンスしに行く」ということがしばしばである。
 
実際はどうかというと、プロフェッショナルの統一的団体であるWDDSC(World Dance & Dancesport Council)でも、アマチュアの統一的団体であるIDSF(International Dancesport Federation)でも分類名称は「スタンダード」/「ラテンアメリカン」となっています。
 
また、欧米あるいはアジアのインターネットの情報を見ると「スタンダード」/「ラテンアメリカン」という分類が大勢を占めています。なかには「ボールルーム」/「ラテンアメリカン」というように分類しているのも見かけますが。
 
しかし、それで一件落着かというとそうでもありません。
 
米国では以下のような分類をしていることが、同じホームページに掲載されています。
 
アメリカンスタイル=アメリカンスムース+アメリカンリズム
アメリカンスムース=W+T+SF+VW(QSは含まない)
アメリカンリズム =C+R+マンボ+スィング
インターナショナルスタイル=インターナショナルスタンダード+インターナショナルラテン
インターナショナルスタンダード=W+T+SF+QS+VW
インターナショナルラテン=C+R+S+J+P
 
このうちのインターナショナルスタイルと米国人が呼んでいるのは、われわれ日本人がなじみのあるヨーロッパないし英国で踊られているスタイルのようですが、アメリカンスタイルと呼ばれているダンスは、分類名が同じであっても中身がすべて同じとは限りません。
 
たとえばスローフォックストロットやクイックステップは、もともと米国人のHarry Foxというボードビリアンが作り出したFoxtrotが原型になっていますが、アメリカンスムースのスローフォックストロットでは、その原型が色濃く残っているのか、ベーシックステップにはフェザーステップやスリーステップがなくて、その代わりちがうステップが入っています。
 
興味のある方は http://www.ballroomdancers.com/ のところでアメリカンスムースやアメリカンリズムのベーシックステップの動画をご覧下さい。
 
その他、別のウェブサイトで調べてみると、アメリカンスムースのワルツでは、以下のようにクローズドコンタクトのままでは踊れそうもないようなステップも含まれています。
 
lady under arm turns
side by side positions
parallel turns
 
このようにスタンダードとかモダンとか呼ばれている中でさえ違いがあるのだということは、私も以前は知りませんでしたし、雑誌などでもあまり取り上げられていないようです。
 
このようにいろいろなスタイルのダンスがあることを考慮しない分類名称の議論は意味がないように思われます。
 
そもそも「スタンダード」は「標準ないし基準」と言う意味より「普通の」というのが元から持っている意味なのですから、あとから入ってきたラテンがその頃スタンダードと呼ばれなかったのは至極当然という気がします。