Last Updated on 2022年3月2日 by tama
ピボッティング・アクションは英語で書くと、Pivoting Action です。
このピボッティング・アクションという言葉はボールルーム・ダンス・テクニックでは、以下の3個所だけで出てきます。しかもなんの説明もなしです。
- ワルツのナチュラル・スピン・ターン
女子4歩目右足前進
- クイックステップのナチュラル・ピボット・ターン
女子4歩目右足前進
- クイックステップのルンバクロス
女子3歩目右足前進
参考までに、アレックス・ムーア教室の教頭を30年余務め、アレックス・ムーア著作のモダン・ラテンのテキストの実務的ライターだったエリザベス・ロメイン氏が監修した「ダンナビ」という本の中では以下のように定義されています。
Pivot(ピボット)
A turn on the ball of foot, the other foot being kept in front or behind in CBMP
(一方の足のボールを軸に回転する動作で、この時、もう一方の足は前方または後方にCBMPに保って行う)
Pivoting Action(ピボッティング・アクション)
Action without keeping CBMP in the case of above
(上記でCBMPに保たないで行われる動作)
しかし、ピボットについてはなんとなくわかりますが、ピボッティング・アクションについては、「CBMPに保たないで行われる動作」と否定形で説明されても、どうすればピボッティング・アクションになるのかさっぱりわかりません。
そこで英語の意味に戻って考えてみます。
Pivoting Action のように、動詞原形+ing が、後ろに付く名詞を修飾する形容詞の役割を果たしている場合、動詞原形と名詞との関係にはいくつかの種類があります。主なものは
(1) 名詞が動詞の目的語である
Drinking Water (飲料水)
(2) 名詞が動詞の主語である
Running Water (流れている水)
Spinning Wheel (回転する車輪)
Moving Foot (動いている足)
(3) 動詞が名詞を追加的に修飾する
(名詞は動詞の主語ではない)
Pressing Problem (差し迫った問題)
Turning Rock (ターンしながらロックする)
Pivoting Action (ピボットしながら行うアクション)はこの内(3)に分類されることがわかります。
そこでダンスに関係する海外のウェブサイトでもう少し調べた結果をまとめたのが下記のものです。
Pivot (ピボット)
サポーティング・フットのボールを軸に、重心をそのボール上に保ったまま回転する動作で、その間、もう一方の足は前方または後方にCBMPに保つ。
Pivoting Action (ピボッティング・アクション)
右足で前進しながら右足のボールで右回転する動作で、重心がサポーティング・フットのボール上にとどまらず、離れて行きながら回転が行われる。この時相手の右足が自分の両足の間にステップするスペースが必要なので、自分の左足はCBMPを保たず、サポーティング・フットの周りを、円を描くように動かす。
つまり、ピボッティング・アクションのアクションとは、自分のボディを、相手のサポーティング・フットを中心として、円を描くように移動するアクションのことだということになります。
<まとめ>
- ピボット回転を行う場合、回転の中心にいる男子(あるいは女子)がピボットを行い、外側にいる女子(あるいは男子)がピボッティング・アクションを行う。
- 上記のことから、ボールルーム・ダンス・テクニックで、ピボットと指定されているところはすべて、パートナーに対して、ピボッティング・アクションが指定されていると解釈するほうが良いと思います。